『闇からの帰還』『つぎはぎの魂は、ダイヤモンドの夢を見るか』お楽しみいただけたでしょうか?あまり読み易いとはいえない、拙い文章にお付き合いいただき、ほんとうにありがとうございます。
『闇からの帰還』は、10年近く前に書いたものだったのですが、今回、ここに掲出していただける事となったので、かなり手を入れました。原文は、拙いなどという生易しいレベルではなく、顔から発火する程の恥ずかしい文章でありました。以前のバージョンをお読みいただいた方たちに、改めてお詫びしたい気持ちであります。
お兄ちゃん・風間将人の帰還はTVシリーズの中で描く事が出来ませんでした。実のところ、戻ってくる事は決まっていたものの、そこにいたるプロセスは、きちんと設定されていませんでした。なので、スキマを縫うようにこのような物語を紡ぎました。石井博士の私案のようなものであります。
お読みいただいた方の中には「将人にコレないだろう…」と思われる方もあるでしょう。石井の妄想だと思っていただいて結構であります。
『つぎはぎの魂は、ダイヤモンドの夢を見るか』の語り手として登場する中野刑事は、その役名を、TVドラマ『俺たちの勲章』の松田優作演じる主人公からいただいております。自分たちの世代の松田優作ファンは「なんじゃこりゃ〜!」のGパン刑事から入るというのが定番なのですが、我が家ではショーケンのファンである叔母の影響で、マカロニの死をもって『太陽にほえろ!』の視聴習慣を無くしてしまったので、松田優作を知るタイミングがずれてしまったのであります。
ちなみに中野刑事初登場の回、中野刑事と以前から知り合いだったらしい装備課の課長には『俺たちの勲章』の中村雅俊の役名を付けておきました。(ホントは最終回で刑事を辞めているのですが…)
想像のキャラクターは、作者の中に生まれますが、語られ、書かれ、描かれて、形になるわけでありまして、形になったキャラクターは作者だけのものでなく、受け手のものでもあると思うのです。
あなたなりの将人の物語を、剛の物語を考えてください。(ドクターや、紫苑も自分たちの物語を欲しているかもしれません)そして、剛や将人たちに永遠の命を与えていただければ、幸いであります。

石井 博士